橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

この、身の程知らずめが!

 イエス・キリストの人間観は、「神様類似説」に基づいているのだと思われます。

 すなわち、それは、もともと神は人間を創りだすときに自らに似せて造ったのだ、との考え方に立っているのでありましょう。

 それゆえ、世人にも博愛精神を説いたのですね。「汝の敵を愛せ」とか、「右の頬を打たれたら左の頬を差し向けよ」といった教えは、まさにそうでしょう。

 要するに、神様と同じことを人間にもやらせようとしているわけですね。

 しかし、人間には人間の分というものがある、と私は思います。

 神様は宇宙全体であり、人間はそれを構成する成員にすぎません。両者はそもそも根本的に役割が違うのです。エネルギッシュな存在であるという点では共通しているものの、かたや絶対者、かたや相対者というように、両者間には決定的な差異があります。

 敵なんか愛さなくていいんですよ。そこまで無理しなくていいんです。

 人間はもともと、「相対的存在」として神様に造ってもらったのですからね。

 絶対者みたいに振る舞っちゃったら、神様が怒りますよ。

 「この、身の程知らずめが!」とね。