橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

仮想実験(トイレ掃除編)

 他人から協力してもらうということは、回りくどい。

 それがどのようなものであるかを考えるには、次のような思考実験をしてみるとよいでしょう。

 街へ行き、見ず知らずの人々に、「すいません、うちの便所をタダで掃除していただけませんか?」と頼んでみて、一体、何人くらい声を掛け続ければOKしてくれる人が現れるか、を調べるのです。

(若い美人が男性に色仕掛けでお願いする、というケースは除外します。それだと実験をやる意味がなくなっちゃいますからね。)

 さあ、そんなわけで、早速、実験してみましょう。

 おそらく、どんなに頑張っても、99.9999999999999999999%くらいの人に断られる筈です。

 それでも、やってくれる人に出会えるまで、10000人でも100000人でも1000000人でも声を掛け続けるのです。

 そうすれば、なかには奇特な人もいて、OKしてもらえる幸運に遭遇することもあるかもしれません。その折には、挫けずにやり続けた甲斐があったなぁ!と、感激すること請け合いでしょう。

 でも、なんですよね。それだったら、初めから自分で便所掃除したほうが早いんですよね!

 自助努力がいかに素晴らしく、いかに確実なものであるかが、これでお判りでしょう。

 そして、他力本願がいかに埒が明かないものであるかも、お判りになられたでありましょう。

 自分の頭の中で想い描いているシナリオを実現するうえで、他人からの協力というファクターをそこに組み込んでしまうと、途端に、不確実で非力な展開になってしまうのです。

 ビジネスや雇用、就職も、このイメージでいいでしょう。

 自給自足できる人は幸せです。まるで自分でトイレ掃除したほうが効率が良かったのと同じように、独力で生活の糧を得られるなら、それに勝る恵みはないといえましょう。