橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

魅惑の光線

 方向転換ばかりの運動(すなわち円運動)は、運動していないも同然だといえましょう。つまり、「停滞」というわけです。先へ進んでいないんですね。だから、魅力的(個性的)ではなくなってしまうのです。

 円運動は、すべてが方向転換です。方向転換でない要素はひとつもありません。

 方向転換だけをしているのですね。

 それゆえ、360°ぐるりと一周して、元の位置まで戻ってしまいます。

 同じ所をいつまでもぐるぐる回っているだけの運動なのです。

 まさにマンネリでありましょう。

 マンネリの主体は取り残されます。ゆえに、魅力的ではありません。

 方向転換は、たまにすれば充分なんですよ。

 普段は真っすぐに進み、たまに方向転換する物体や人間こそが、魅力的なのであります。

 恒星の核融合反応はまさにそれです。

 水素原子の核同士が核融合してヘリウムに変わることで光や熱を放つわけだけれど、真っすぐな者同士が互いにちょっと方向転換してぶつかることで、核融合となり、魅惑の光線を放つのです。

 円運動よりは、直線運動や往復運動のほうが、個性的であり、魅力的なのであります。

 輝いているのです。

 作家の太宰治は、死の直前、こう言い残しました。「すべては、続いていく」と。

 なんて寂しい言葉なのでしょう。

 いつまでも同じ所をぐるぐる回ることが、「続いていく」ということなのですよ。

 方向転換ばかりして何度も同じ軌道上をぐるぐる回るだけの未来なら、希望も何もありません。寂しく、虚しくもなりますよ、そりゃ。

 「前向き」になるべきです。

 前を向く前に方向転換しちゃうから、悲しくなるわけですよ。

 そんなことはしないで、前だけを向いて進み、必要に応じて時々方向転換をすれば足ります。

 計算上、円運動に比べ、6.28倍もエネルギーをキープできますからね。

 数式で表すなら、次のようなかたちで記述できることになります。

 

   r=nvt・・・・・・・・・・・・・・・➀

 

   2πr=nvt・・・・・・・・・・・・・➁

 

 ➀の式は直線運動に要する手間暇を表しており、➁の式は円運動に要する手間暇を表しています。

 両式を解くと、➀の解はn=1、➁の解はn=6.28となります。

 

 円運動、面倒くさいですよね。

 直線運動、シンプルで、爽やかですよね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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