風邪を治せる薬を発明出来たら、ノーベル賞は確実だといわれています。
しかし、残念ながら、それは無理だと思います。
なぜ、そういえるのでしょうか?
まず、風邪のウイルスというものについて、じっくり考えてみましょう。
それは、生物でもなければ無生物でもないのだそうです。
単独では増殖することも成長することもできず、人間や動物の体内に入り込んではじめて、変化していける存在なのですね。
ということは、感染する側の立場である彼らからすれば、それでいいことになります。
それが彼らにとって万物流転原則に合致する存在形態だからです。
では、感染される側である人間の立場からすると、どうなのでしょうか?
ウイルスは、薬で撃退することはできません。
ただし、免疫細胞によって一定期間をかけて捕食することで消滅させることができます。
ということは、人間にとっては、それが、それこそが、万物流転原則に合った変化・成長の仕方なのだといえましょう。
風邪をひいてしまうと、一見、幸せの途中で躓いてしまったかのようにも思えるのだけれど、それは、変化への勢いづけのためにむしろ理想的であるとすらいえるのです。
要するに、たまには風邪でもひかないと、人間は強くなれない、ということなのですよ。
人生には、プログラムとして、風邪がちゃんと組み込まれているのであります。
風邪の症状も変化の一部なのです。
それは立派な成長なのです。
自分で自分に「おめでとう」と言ってあげてもいいくらいなのです。
人間とウイルスは、一定の条件のもとに混じり合うべきものなのであり、だからこそ、薬で人為的にウイルスだけを消滅させることはできないのであります。
まあ、その分野でのノーベル賞授賞は、ない、ってことですね。