橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

書き言葉と話し言葉

 言葉の世界には、「音声世界」と「文字世界」とがあります。

 人類史上、先に出現したのは、前者のほうです。

 ということは、人間にとって、「音声世界」が最も馴染みやすく、根源的なフィールドであるといえるのではないでしょうか。

 どういうことかといいますとね。音と音とを組み合わせて、意味のある、力の宿った構造物(言葉)を作り出すシステムは、自然界にもともと備わった「何かと何かを組み合わせて特徴ある物質を創出する仕組み」を、より忠実になぞったものなのであって、だからこそ、人類の歴史において、「喋り言葉」のほうが「書き言葉」よりも先に登場したものと推測しうる、ということなのです。

 

 要するに、先に発明された話し言葉のほうが、後から発明された文字よりも、普遍的なものであるといえるのですね。

 

 そう考えてくると、「書き言葉(文字世界)」は、「話し言葉(音声世界)」をただ単に翻訳したものにすぎない、ということになります。

 したがって、言霊のパワーがより強力なのは、音声すなわち「話し言葉」のほうである、という結論になります。

 

 そうであるがゆえに、私たちが言霊の力を利用したエクササイズを行う場合、より有効となるのは、口頭で前向きな言葉を唱えるメソッドアファメーション)のほうである、ということになるのですね。

 

 もちろん、紙に目標を書いて壁に貼っておいたり、ノートに書き取り練習したりすることでも、一定の効果はあるでしょう。しかし、口に出して唱えるほうが、やはりパワーは上だと思います。

 幼い子供だって、「書き言葉」よりも「話し言葉」のほうを先に覚えるわけだから、その点に鑑みても、基本はやはり、「音声世界」だといえるのであります。