橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

日本が生き残る術は「文化立国」

 よく、産業の空洞化をなんとしても止めるべきである、みたいな話を聞きますよね。

 でも、それは残念ながら、無理でしょう。

 この国の地価を、それの低い国、たとえば中国並みに下げない限り、日本企業の海外流出を食い止めることは不可能だからです。

 じゃあ、中国の地価のほうが日本並みに髙くなるかというと、それも当分の間はないでしょう。

 なぜなら、中国も豊かになってきて、ネット普及率が高まったからです。

 どういうことかといいますとね。

 ネット(IT)というのは、「技術」のことです。

 多くの人がネットを利用するということは、「技術」に惚れ込んでいることを意味します。

 

 「技術」に片想いし、「文化」には愛想を尽かす。

 これがいまのネット社会なんじゃないでしょうか。

 

 中国もそうなった、ということです。

 

 地価を上げるためには、その地域に世界じゅうから魅力的な企業や人材が集まってくる必要があります。

 つまり、「文化」国家、「文化」地域じゃないと、人も企業も集まらず、パワーは生まれないのですね。

 しかし、日本も中国も、或いは他の多くの国々も、みんな「技術」たるネットに首ったけで、「文化」に愛想を尽かしているのですよ。

 

 「技術」の一党独裁のようになった国・地域では、残念ながら地価が上がることはないでしょう。

 なぜなら、そこにはもはや、人の手を加える余地がないからです。

 

 人間がやる仕事など、もう残っていません。

 あるのは、ネット(「技術」)だけ。

 人も文化も魅力も、なんにも残っていない荒涼としたネット砂漠が、どこまでも広がっているだけです。

 

 そういった状況下では、地価は決して上がりません。

 銀行の不良債権問題も未解決のまま、ずるずると経済が低迷し続けざるを得ません。

 

 本も売れず、CDも売れず、優れた科学者やクリエイターはみん海外へ出て行っちゃう・・・。

 中国はどうだか知りませんけれど、これがいまの日本の状況であるといえましょう。

 

 ❝花より団子の国・ニッポン❞であり続ける限り、現状打破はままなりません。

 

 もはや、生き残る術は文化立国しかありません。

 

 「技術」も、それはそれで結構なんだけれど、あまりにも❝花より団子❞的なスタンスに染まりすぎてしまうのも、考えものです。