橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

人間は「半導体的欲望」を持つている

 なぜ人間には、本能のみならず理性まで備わっているのでしょうか?

 それはね。

 たとえば、半導体は電気を流す一方でそれを流さないこともできます。

 また、電流を増幅させることもできれば電流をシャットアウトすることもできます。

 

 人間もそれと同じなんじゃないでしょうか。

 

 まるでPN接合半導体みたいに、本能と理性とが向かい合い、同居している。

 

 そういう仕組みになっていることで、欲望を必要以上に増幅させることもできるし、必要以上に抑制してやせ我慢することもできる、というわけなのですね。

 

 動物にはそのような芸当はできません。

 

 人間はこの特徴のお蔭で、不便、不満、不快といったものを、解消したくて解消したくてたまらなくなります。

 だからこそ、文化、文明、科学技術を発展させてきたのです。

 これが同時に、地球に対するダイナミックな「消費・分解活動」を可能ならしめたんですね。

 

 とにかく、将来の便利さ、快適さという大きな欲望を必要以上に抱き、それが叶うまではむしろひたすら我慢し、そのためだったらどのような苦労も努力も厭わない、そういったヘンな習性が人間にはあります。

 

 将来の「便利」のためだったらいまの「不便」にだって目を瞑ることができるし、将来の「快適」のためだったらいまの「不快」にも耐えることができる。

 

 こういう芸当ができるのは、欲張ることもやせ我慢することも両方できるからにほかなりません。

 

 そうした「半導体的欲望」しか、地球に対するダイナミックな「消費・分解活動」を可能ならしめるものはないんじゃないでしょうか。

 

 動物には絶対に無理です。

 彼らはいつだってその日暮らしだし、将来についての計画性も無いし、やせ我慢もできません。

 そのかわり、必要以上に欲望を肥大化させることもありません。

 でも、それでは、地球に対してのダイナミックな「消費・分解活動」を行うことはできないのです。

 

 人間だけが、それを実行できるのです。