橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

組織の再生能力

 なぜ、人間の体を構成している組織はいちど壊れると再生しないのでしょうか?

 

 それについては、次のように考えられます。

 人間の運動能力、活動能力というのは、限られています。何でもかんでもできるわけではありません。

 しかし、その限られた運動・活動能力の枠内に収まった行動をしているかぎり、私たちは大自然の有機的なバランスを大きく損ねさせる恐れもありません。

 

 ゆえに、体の組織が大きく壊れてしまうような事態には、そもそも、なりません。

 

 したがって、「組織を再生する」という問題も、初めから起きません。

 

 ところが一方、人間の限られた運動・活動能力を遥かに超えた行動をした場合*1はどうでしょうか?

 

 当然、大自然全体を構成する他のバランス要員との間で、対立・衝突が起きやすくなります。

 ゆえに、組織が壊れるという事態も起こりやすい、といえます。

 

 しかしながら、人体というのは、もともと組織を失うような環境下で進化してきたわけではないでしょう。

 たとえば、時速100kmで走る車の中で進化してきたわけではありません。

 

 それゆえに、「組織を大きく損なった場合の再生」という問題にそもそも直面してこなかった、ということが窺えます。

 

 したがって、「組織の再生能力」というものを持っていないのも、むしろ当然であるといえましょう。

 

 

 とにかく、人間というのは自然環境、そして他のバランス要員と別個・独立には存立し得ないのです。

 

 常に、それらのものと関係し合い、調整し合い、存立しているのです。

 

 そうであるなら、他のバランス要員と矛盾・対立しないような行動をする必要がどうしてもあることになります。

 

 組織をそもそも壊すことのないような生活こそが大事なのであり、「再生能力」などというものには、もしかしたら、初めから期待しないほうがいいのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:たとえば、高度10000メートルの高さの上空をマッハ50で飛行するとか、水温が300℃の海底火山の河口付近の水中で暮らすといった、極端なケースのことです。

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