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橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

磁力線は運動していない

 子供の頃、学校で、次のようなことを習いましたよね。


 「磁力線はN極から出てS極へ入る」と。


 これは、磁石の周りに砂鉄を撒くと、まるで極から極へ線が伸びているかのように砂鉄が分布することから、イギリスの物理学者マイケル・ファラデーが、「磁力線」という概念を使ったのがそれの始まりでした。

 そして、それは磁力線が運動しているんだ、と考えられてきたわけですね。

 たしかに、教科書の、N極とN極とを近づけた写真を見てみると、それらの間に散布された砂鉄は、まるで正面衝突を避けるかのように横へ逸れており、磁力線同士があたかも反発し合っているかのようにもみえます。

 ところが、どういうわけか、図書館内のあらゆる物理学の本や図鑑を隈なく調べてみても、S極とS極とを近づけた写真が見当たらないのです!
 
 どの写真を見ても、N極同士が向かい合っているものばかりなのですね。

 どうやら、私の睨んだ通り、磁力の本質は運動ではないようです。東大名誉教授の今井功先生もその立場に立っておられます。

 ここで、S極とS極とを近づけたらどうなるかについて考えてみましょう。

 「磁力線はS極へ入っていく」わけですよね。だから矢印の先端はS極へ突き刺さるように向いている筈ですよね。

 とすれば、S極同士を近づけたとしても、理論上、矢印の先端同士のぶつかり合いは起こらないことになります。

 しかし、実際は、S極同士を近づけると反発し合うし、その間にある砂鉄も両端を一本の線で結んだりはしません。
 つまり、「磁力線」という概念を使ったのでは、S極同士の間に働く反発力を説明できないのですね。

 だからでありましょう、どの本を調べてみても、載っているのはN極同士が向かい合っているものばかりなのです。


 今井教授は、電磁誘導について、ファラデーの誘導法則やオームの法則を使えば、磁力線の運動という概念を使わなくてもすべて説明できることを明らかにしました。

 私は私で、関係性理論で説明を試みていくつもりです。


 説明方法というのは、いくつも存在します。自然現象や実験事実を語る言葉は、一つだけとは限りません。必ずしも従来の常識に合わせなくてはならないわけではありません。

 要は、実験データと一致し、論理的に筋が通ってさえいれば、何だっていいのです。



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 上図③のケースにおいて、矢印は向かい合っていません。ということは、理論上、力と力のぶつかり合いが起こらないわけで、反発し合う理由はないことになってしまいます。
 ①と②に関しては論理的に矛盾しないけれど、③については磁力線という説明方法だと論理に破綻をきたしてしまうのです。