読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

橋本順一の哲学

芸術、科学、哲学、政治、経済、健康、恋愛、娯楽など、様々な分野において、思いついたことを綴る「ひらめきエッセイ」です。

ポイン

 私たちの暮らすこの宇宙は、有限の完結体であり、そうであるがゆえに、人間一人ひとりに与えられる幸せと苦しみは、総量が一定レベルに保たれています。それらを足し合わせた総計は、いわば“収支とんとん”になっているのです。

 つまり、幸せと苦しみの総量は、それ以上増えもしなければ減りもしない、ということになるのですね。


 さて、そうだとしますとね。日頃、くだらない、ちょっとした苦しみを、コンスタントに味わうのは、むしろ望ましいことだといえましょう。

 なぜなら、苦しみの「ポイント稼ぎ」ができるからです。普段から少しずつ苦しんでいれば、後になって大きな苦しみに襲われることがなくなるからです。

 或る日突然大きな苦しみに見舞われてしまうのはなぜかというと、普段、たいした苦しみを味わわず順風満帆に進んできていたからなのですね。

 いままでが幸せすぎた、いや、苦労知らずでありすぎた。
 だから「収支とんとん」法理に基づき、大きな苦しみがやってきてしまうのです。
 そうなってはじめて、帳尻が合わさるのです。


 そのような苦しみのポイントのことを、私の造語で、「ポイン」と呼びます。「痛み」を意味する英単語「ペイン(pain)」と「得点」を意味する「ポイント(point)」を融合させて、「ポイン」、というわけです。


 この「ポイン」は、なるべく普段くだらないことで貯めておくほうがいいと思われます。
 「大ポイン」を一気に貯めるのではなく、「小ポイン」をちょっとずつちょっとずつ貯めていこう、というリスク分散の考え方ですね。
 借金の返済だって、巨額のものを一気に返すのは大変でしょう。そうではなく、ちょっとずつ小分けにして、ちびちび返していくほうが、無理なく完済しやすいのです。
 それと同じく、苦しみも、とるに足りぬくだらないレベルのものをちびちびと味わっているくらいが、ちょうどいいのですよ。

 たとえば、以前こんなことがありました。夜中に急に、焼きそばパンが食べたくなって、近所のコンビニに買いに行ったら、売り切れだったのですね。普段は割と残っていることが多いのだけれど、その日に限って品切れだったわけです。

 そうすると、落ち込んじゃうんですよね(笑)。私、あまりにも大きすぎる夢を持ってたりするんですけれど、焼きそばパンをゲットするというささやかな願いすら叶えられない人間が、大きな目標を叶えられるのかって考えると、ちょっぴり心許ない気持ちになってしまうこともあるのですね。

 もちろん、焼きそばパンもタダじゃありません。小麦農家さん、パン工場の皆さん、流通業界の皆さん、コンビニやスーパーなどの小売り店の方々といった、たくさんの人たちが働いてくださっているお蔭で、私たちは焼きそばパンを食べることができるという幸せにありつけるわけで、感謝の気持ちを忘れるべきではないことは、重々、承知しております。

 でも、そうはいっても、パンを1個食べたいだけなんですよ(笑)。津軽海峡にトンネルを掘りたいって言っているわけじゃないんですよ(笑)。瀬戸内海に橋を架けたいとか言っているわけでもね(笑)。

 パン1個を食べたいだけなのに、なんでなんだああぁぁぁぁー、っていう思いに、ついつい駆られてしまう場合もあるのです。


 あと、こんなエピソードもあります。私の親しい友達って、なぜか東京から遠いところに住んでいる人が多いんですよね。北海道とか、愛知とか、なかには東南アジアに移住してしまった人もいます。それで、彼らと連絡を取るうえで便利なツールが、LINEじゃないですか。
 私も最近インストールしたばかりで、あまり人のことはいえないんですけれど、そういうアプリの必要性を感じていない、もしくは興味がない、って人はわりと珍しくないんですよね。ガラケー愛用者であるとかね。
 それで、妹が都内に住んでいるんですけれど、お互い、東京の東の外れと西の外れといった具合いに、離れて暮らしているので、ついこの前、諮ったんですよ、LINEでのやり取りをね。
 そしたら、いくつかの理由から、「遠慮しとく」みたいな(笑)。
 まあ、普通にメールしたり通話したりはしているから、特別に不都合があるわけじゃないんですけれど、でも、ちょっぴりショックはショック(笑)。



 LINE、そして、ポイン、みたいな(笑)。


 …とまあ、こんな感じで、大きな苦しみとまではいかない、些細なというか、とるに足りぬ挫折について、考えるところがあったわけなのであります、ハイ。


 これが、「ポイン」事例の話なわけです。


 そして、先述したように、「収支とんとん」法理からすれば、それはむしろありがたいことだといえるのですよ。


 人生は苦である、とお釈迦様は言いました。
 その通りであり、一定量の苦しみは受けざるを得ません。
 ただし、一度に大きいのを受けるか、それとも複数回に分割して受けるのかを選ぶ自由が、人間にはあるような気がします。


 自分のやりたいことに向かって突き進むだけで、「小ポイン」はちょくちょく訪れるのだと思われます。

 つまり、「小ポイン」狙いの作戦は、立てようと思えばいくらでも立てられる、ということです。


 「ポイン」に見舞われても、目標に向かって頑張り続ければいいだけなのであります。




 そうすれば、それと裏返しの、大きな幸せが舞い込んできてくれるでありましょう。
















 …それにしても、ダウンロードして、電話番号で自動登録すればいいだけなのになぁ。









































p.s.

 知らなかったんですけれど、LINEでお友達を追加するうえで、電話番号による自動登録機能を使う場合は、或る一定のファクターに基づく利用制限があるらしいですね。


 なるほどね~。 

広告を非表示にする