前回のブログ記事で、環境を整えない限り充分なエントリーはできない、といった趣旨のことを述べたんですけれど、それはまだその通りで、私はそれを実現しうる環境を手に入れられていません。
だから、本来なら、記事を書きずらい状況にはあるんですけれど、まるでプル-ストが大作を書き上げるかのように、流れ出る想念のままに、頭の中の想いをブログというプレートに乗っけてしまえば、それなりに書けなくもない、ってことに気付きました。
“流し想念”。
そうであるがゆえに、今回の文章は、纏まりがない感じになると思います。いつもの切れ味がない、みたいな(笑)。
でも一応、やれるだけやってみたいと思います。
それでは、よろしくお願いします。
タイトルにある「ジンジャーナ博士」とか「ジンジャニウム」って一体何なんだ、ってことだと思うんですけど、それは、私があちこちの街なかを散歩したりサイクリングしたりしている時に、ふと思い着いた物語における、そこでの印象的・代表的なワ-ドであり、その中に登場する科学者の名前および彼が発明した物質の名前を指しています。
ちなみに、彼の正式名称は、「イズモナ・ムル・ジンジャーナ」といいます。ジンジャー大学の工学部の教授であり、その専門分野における世界的権威です。
神社の前を通りかかった際に、着想しました。⛩
この、ジンジャニウムという、ジンジャーナ博士が作り出した物質は、どのような性質があるかというと、それを空気中に散布するとすべての神社(社殿や社務所など)を透明なものにして、肉眼で見えなくさせるという作用を持つのですね。
これ、凄い事なんですよね。人類史上稀に見る、途轍もない大発明なのです(笑)。物語の中ではね(笑)。
ところが、いかんせん、実用性が無い(笑)。
たしかに凄い成果ではあるんだけれど、産業面での発展の見込みが、まるで無い(笑)。
何百億円という膨大な額のお金を湯水のごとく使っておきながら、得られた成果が、神社を消せる物質という(笑)。
彼が所属しているのは国立大学なので、研究のための予算は国民の税金で賄われています。それで、そのような非実用的な研究にはもうお金を出せないということで、国からの助成金が打ち切られてしまいそうになり、ジンジャーナ博士は大ピンチに陥ってしまいます。
それで、彼がそのことを自宅に帰って家族に報告すると、彼の娘さんが、
「パパの予算が打ち切られるなんて••••••そんなの、でたらめもいいところだわ!」
みたいなことを、真っ白いドレスに身を包んだ姿で嘆く、っていう。
べつに、真っ白いドレスを着なきゃならない必要性はまったく無いんですけどね(笑)。
そして、一方、その国の支配者層の人たちに目を向けると、政府・議会と、軍部との間で、権力を巡る激しい対立が勃発していたのでした。
その地を代々支配してきた伯爵家の出身であるジンジャワ-ル首相と、陸軍のジンジャニティ-大佐とが、血みどろの主導権争いを繰り広げていました。
それで、そのジンジャワ-ル首相ってのが、その名の通り、筋金入りのワルなんですよ。権謀術数の限りを尽くし、己れの利益の為であれば手段を選ばない感じのね。
なのに、立場上、ジンジャーナ博士はそいつに研究費の工面をつけてくれるようにお願いし続けなければならないっていう、苦しい状況にあります。
そこにこそ、ドラマがある、みたいな(笑)。
彼は、隣国で古墳の研究をしているアメテラサス・コフニクス博士と懇意なんですけれど、運命のいたずらか、やがて、かの国と自国との間に起こった抗争のせいで、二人の友情が引き裂かれてしまいます。
そればかりか、突然、隣国の軍隊が、自国領内へと侵攻してきたのでした。
そのような状況下にあっても、まだ、ジンジャワール首相とジンジャニティ-大佐は、いがみ合いを続けていたのでした。
その隙を突いて、隣国軍は首都圏に攻め入り、戦車で砲撃してきます。街はたちどころにして、火の海と化しました。🔥
悲鳴をあげながら、人々が逃げ惑います。
阿鼻叫喚の世界。
地獄絵図。
ジンジャーナ博士は、娘さんを連れて、反対側にある隣国(中立国)へ逃げ込もうと、国境近くまでやって来ます。
砲撃の轟音が鳴り響く中、彼は娘さんの手を引いて、走ってゆく。
だんだん砲弾が二人のすぐそばまで飛んでくる。
砂塵がぱらぱらと降りかかる。
砕け散った岩盤の無数の破片が、二人を襲う。
それを振り切るようにして、必死に、無我夢中で、彼らは荒野を駆け抜けてゆく。或るいは終わりなき逃走劇であるかもしれない悲しみの中を。
息が上がってきます。
朦朧とする意識の中で、ジンジャーナ博士は、娘さんの手を強く、強く、握りしめたのでした。
「神社さえ•••、神社さえあれば••••。⛩」
娘さんの脚がもつれ、バランスを崩しそうになり、ふらふらとよろめいたと思ったら、次の瞬間、目の前で敵の弾が着弾して、爆発が起こりました。
💥💥💥
砂埃が舞い上がり、大きな音とともに爆風が博士と娘さんを数メートル吹き飛ばしました。
二人は地面に倒れ込んでしまいました。
「パパ!••••わたし、もう駄目!」
上空から、制空権を押さえたであろう敵の戦闘機が、機関銃を斉射してきます。それは一瞬のうちに、土の上を撫で払っていきます。
🗯🗯🗯、🗯🗯🗯•••
弾は二人の身体の、すぐ脇を掠めていきました。
戦闘機は一旦、遠方へ飛び去ったけれど、旋回して、またこちらへ迫ってきます。
ジンジャーナ博士は咄嗟に、娘さんの身体の上に覆い被さりました。
🗯🗯🗯、🗯🗯🗯
💥💥💥、💥💥💥
🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥
銃弾は、再び、二人の身体を掠め、辺りに火柱を上げさせました。
炎の中で、博士は立ち上がって、娘さんを抱き起こし、そのまま彼女の両肩から両腕にかけての部位を掴んで、前後に揺り動かします。
「いいか、よく聞くんだ!••••遠くに神社⛩がないか探してみてくれ。••••••きみは私よりも視力が良い!急いで見つけ出してくれ!」
呆気に取られながらも、 娘さんは頷くと、炎の輪の中 から駆け出していって、周囲を見回しました。
でも、目に付くのは、モスクやチャペルばかりでした。🕌 ⛪️
神社⛩など、どこをどう見渡してみても、確認することができません。
まるでカブトムシを獲りに来たのにカナブンやカミキリムシしかいなかった時のような、“これじゃない感”を、娘さんはそのとき覚えたのでした。
彼女は、瞳の形を丸めた後で、片方だけ、上部を4分の1ほど歪め、その美しく、整った顔を、全体的に、僅かに震わせました。
「ど、どうして•••••。」
彼女はその場に、しばらく立ち尽くしてしまったのでした。
その様子を、炎の揺らめきの向こう側から、ジンジャーナ博士が見つめていました。
彼はその間、ずっと無言でした。
熱風が、辺りに渦巻いて、その場を高温にしてゆきます。
博士の額からこめかみ、頰へと、汗が伝います。それはやがて顎の先端まで達すると、粒となって地面に落ちました。
瓦礫の山。
廃墟となった家々。
燃え盛る炎。
無数の蝶たち🦋が、空へと舞い上がっていくように見えます。でもそれは、彼の目にそう映っただけであり、実際のところ、それは煤や火の粉でした。
ジンジャーナ博士は、壁のように眼前に立ち塞がる火柱越しに、娘さんをじっと、見据えました。
彼女が振り返ります。
揺れ動く赤や黄色やオレンジ色の大海の中で、両者は、互いに、強い眼差しを絡め合いました。
やがて娘さんは、疲れきったような、悟りきったような、優しい目を向けてきました。
彼女は、にっこりと笑いました。
その直後、彼女は身体を捻るようにして反転させたかと思うと、向こう側へ振り返りながら、直立姿勢になりました。
博士が怪訝に思う間も無く、娘さんはその場に倒れてしまいました。
一瞬の出来事でした。
彼が大声で叫びます。
「カンニャ!」
博士は猛然と、走り出します。
あ、申し遅れましたけれど、娘さんの正式な名前は、「カンニャ・イロジロ・ハ・ダ・ジンジャーナ」といいます。
この期に及んで、まだ、彼女は真っ白いドレスに身を包んでいます••••••いや、あのね、そういう設定なんですよ(笑)。
ま、でも、非常時だったので、仕方ないですよね。着の身着のままで家から出てきたわけですから。
それで、二人の母国であるジンジャー共和国においては、彼女たちは南方系に属する民族であるので、喋る言葉が「南部訛り」になっているんですね(笑)。
そのため、博士は、「ニャ」って言えないんですよ(笑)。
「ナ」になっちゃうんです(笑)。
あたかも英語圏の人が、「ショウユ(醤油)」とは言えずに、「ソイ」ってなっちゃうかのようにね。
それと同様にですね、博士もですね、「ニャ」が「ナ」と発音される、っていう。
ただ、本名のほうが、もともとはそのような設定になっていますので、一応、表記上は「ニャ」とされている点にご注意ください。ハイ。
さて、そんなわけで、ジンジャーナ博士はカンニャのもとへ駆けつけようとするんですけれどね。
彼が走り出した直後に、戦闘機が機関銃をぶっ放し、ついさっきまで彼がいた場所を撃ち貫きました。
🗯🗯🗯、🗯🗯🗯•••
全力疾走している彼の後ろにぴったりと伴走する影みたいに、弾の命中痕が、等間隔で、次々と、地面に刻まれていきます。
🗯🗯🗯、🗯🗯🗯、🗯🗯🗯•••
それは執拗に、追いかけてきます。
博士は信じられないようなハイ・スピードで荒野を横切っていきます。まるで無人の野を駆けるがごとく。
一定距離を一定時間、走り抜いたのち、彼はカンニャの横たわっている場所に着きました。
彼女は、まだ気を失っています。
息もきれぎれ、博士は彼女の顔を見おろしました。
「カンニャ••••。」
先程の空軍機が、Uタ-ンして、舞い戻ってきます。
それは、唸り声のような音を立てて、彼らの近くへ迫ってきます。
博士は振り返って、空を見上げました。
コクピットのガラスの向こうに、操縦士の顔が見えます。ゴ-グル越しに、そのニヤリとした目付きが見て取れました。
博士は、もはやこれまでか、と覚悟しました。
パイロットは、機関銃の発射レバーに手を掛けました。
博士はカンニャを胸に抱きかかえました。
敵機の後方から、一筋の閃光⚡️が、下から上へ向かって伸びていくのが、見えました。
💥💥💥
💥💥💥
💥💥💥
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敵機が、炎に包まれながら、落下していきます。
大きな音を響かせ、それは地上に激突しました。
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墜落地点から、放射状に、爆風と熱風が走ってゆきます。
博士の腕の中で、後頭部を真下に向けながら瞳を閉じているカンニャの、長い黒髪が、風に煽られて、波打ちました。
博士は、閃光の発せられた方角を見遣りました。
「対空砲••••!」
どうやら、対空国防隊“ハイ・ビスカス”が出動したらしいです。
街の至る所から、対空砲火の稲光⚡️が、上空目掛けて、放たれていきます。
ジンジャー空軍も、遅ればせながら、駆け付けてきました。
両軍入り乱れての、機関銃の撃ち合いが始まりました。
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両者の間で、まるでわらべ歌における攻防戦のように、銃撃の応酬が続きます。
一進一退の、手に汗握る展開。
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カンニャを胸に抱きながら、ジンジャーナ博士は、逃げるなら今しかない、と思いました。
博士は、彼女を背中に背負いました。
カンニャを、抱っこから、おんぶへと、体勢チェンジし、走る気まんまんの心持ちになりました。
でも、また抱っこしたくなり、彼女の身体を彼の前半身のほうへ持っていきかけたのだけれど、敵の追撃から逃れやすいとの理由から、思い直し、体勢を再々チェンジするため、もう一度、おんぶしました。
でも、すぐさま翻意して、抱っこするべく、彼女の身体を前と後ろとで入れ替えようとして途中まで動かしてはみたものの、それを断念して再翻意し、やっぱり、おんぶしたのでした。
カンニャが瞼を開けます。
「どっちなん!」
彼女はそう言って、博士の首に後ろから左腕を回してきて固定し、右腕でそれを外側から押さえ付けたのでした。
博士は、うぐぐ、と呻きながら、苦しそうに目を瞑ります。
「き••••気がついたのか!」
彼の言葉の語尾が完成しないうちに、カンニャは右腕で遠方を指差しました。
「あそこに森が見えるよ。•••••パパ、あの森へ行きましょう!」
彼女を背中に背負ったまま、博士は、スクワットの要領で、下半身を使って、カンニャを上下にゆっさゆっさと揺り動かします。
「森の中に隠れたって無駄だよ。••••敵はおそらく、最新式の監視レ-ダ-で、すぐに私たちを見つけ出してしまうだろう。」
彼から繰り出される反復運動に身を任せながら、カンニャは、首をかっくんかっくんさせています。
「そ、そうじゃ•••な、な、ないの。も、森•••も、森、森の中な•••、なら、••••••••ていうか、喋りづらいよ!•••喋らせてよ!」
彼女は、博士の肩や背中を、手でバシバシと叩きました。
ジンジャーナ博士は、カンニャを背中から地面へと下ろし、くるっ、と半転して、彼女の両肩に左右の手を添えました。
「言ってごらん。」
カンニャは、博士の瞳を見つめます。
「隠れるんじゃあないの。森の中なら、神社⛩があるかもしれないでしょ••••?」
ジンジャーナ博士は、視線をカンニャの瞳に合わせたまま、両眼を大きく見開きました。
「••••鎮守の森か!」
カンニャは頷きました。
彼女たちは周囲を見回しました。
二人がいる場所からすぐ近くにある白亜の廃墟の、白壁や白塀で囲まれた中庭の一角に、花壇があるのが見えます。
そこに白百合の花が十数本、咲いていました。
それは、ジンジャーナ博士の目には、カンニャの白いドレスに施された透かし模様の花柄と、綺麗にシンクロして映りました。
彼女の背後に、それらの華やぎが、違和感なく添えられています。
あたかもそれは、それがそういう思想であるかのごとく、強烈なインパクトを見る者に与えているようにも感じられるのでした。
絶望の中にあっても、それらは繁茂する。
なんて逞しいのだろう。
なんて美しいのだろう。
博士は、この素敵で眩しい景色を、邪悪な者たちにこれ以上穢されたくない、と強く思ったのでした。
彼は徐に、カンニャの面前に、手を差し伸べます。
「行こう。きっとそこに神社⛩があるはずだ。既に敵のゲリラ部隊が入り込んでいるかもしれないけれど、私たちが一足先に参内してしまおう!」
カンニャは頷きながら、差し出された博士の右手に、自分の左手を重ね合わせました。
博士は、それを力強く握り締めました。
森へ向かって、二人が駆け出していきます。
“ハイ・ビスカス”の隊員たちが、遠くから、こちらに向かって、思い思いに、手を振ったり👋、グー・サイン👍を掲げたりしてきます。
砲撃音や着弾音などで声は聴こえてこないけれど、彼らの身動きの様子からすると、どうやらジンジャーナ博士とカンニャの両人に声援を送ってくれているみたいです。
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走りながら、二人は顔を見合わせ、微笑みました。
彼らの向かう先に、高くそびえ立つ、森の木々のシルエットが見えます。
それらはまるで、スペインの聖家族教会『サグラダ・ファミリア』の尖塔群みたいに、ダイナミックに、空へと伸びています。
形状から察すると、それは杉の木が大半であると思われます。
♪ シルエ〜ッ、トォ〜
すいません、急に挿入しちゃいました(笑)。
ところでね、なぜカンニャが森を目指すことを博士に提案したかといいますとね。
シルエットなんですよね。
木のね。
鎮守の森って、周りに湛えているのが、大抵、杉林じゃないですか。
で、それって、独特の雰囲気を醸し出していて、いかにも静謐で、荘厳で、神様が鎮座ましますような、霊験あらたかな感じがしたりしますよね。
カンニャが感じたのは、まさにそこなんですよね、身体の奥深いところでね。
それで、そっち行きを決断したというわけなのです。
さて、そういうわけでございまして、“ハイ・ビスカス”の援護射撃に見守られる中、二人は、やがて、森の入り口まで(無事に)辿り着くことができたのでした。
♪ パフ、パフ〜!
二人は、そこで立ち止まりました。
広大な杉の樹海が、果てしなく、続いています。
鬱蒼とした、霊的世界。
外界に比べて気温が低いのでしょう、空気がひんやりとしているように感じられます。
森の上半分が濃いモスグリーン色の枝葉に覆い尽くされているため、空からの陽の光が遮られ、辺りは薄暗くなっています。
鳩や雀、鶯などの鳴き声が聴こえてきます。
人の気配は、感じられません。
カンニャは、ジンジャーナ博士の腕に、自身の両腕を絡めました。
そして、今度は、彼の肩に、自身の顔を乗せるべく、ゆっくり首を傾けていきました。
でも、すぐに面をあげました。
「••••••あれは、何かしら?」
彼女の声と視線に促されて、博士は前方を見遣りました。
木々の幹の間から、建物らしきものが見えます。
なにやら、それは、和風な感じの佇まいに思えます。
博士は、首を横に振りました。
「あれは、K光教さんだよ。」
カンニャは、その言葉を聞くと、残念そうな面持ちになり、そのまま、博士の肩に、自身のおでこを埋めていきました。
やや強い風が、真正面から、吹いてきます。
それに揺られて、杉の葉が、ざわざわと音を立てます。
さらにその上空から、戦闘機のものと思しき飛行音が聴こえてきます。
二人は、急ぎ足で、森の深部へと進んでゆきます。
程なくして、少し樹高の低い木々が集まる一帯に出ました。
カンニャが、足を止めました。
「パパ、あれは••••••?」
ジンジャーナ博士は、そちらへ目を遣り、その後、視線をカンニャのほうへ移し、首を横に振りました。
「あれはね、T理教さんの教会だよ。」
カンニャは、両眉と両目を、目尻側から下げた表情をしながら、さらにその先のほうを指差しました。
「じゃあ、あそこにあるのは•••••?」
博士は、両手のひらを上へ向けた姿勢で、首を竦めました。
「あれは、S価学会さんだよ。」
カンニャは、両手で頭を抱えながら、その場にしゃがみ込んでしまいました。
「どうして、どうして•••••••、J社さん⛩が無いの?!」
ジンジャーナ博士は、彼女の片腕を掴んで、身体ごと引っ張り上げました。
「べつに、神社⛩まで伏せ字にしなくていいから!」
そう指摘されると、カンニャは、博士の顔を見つめつつ、自分がボケたのに、青天の霹靂みたいな表情をしてみせたのでした。
まあ、基本ですよね(笑)。
さすが、よく押さえているな、っていう(笑)。
博士は、それで、カンニャの腕を、勢いよく引き寄せ、自分の胸をクッション代わりにして彼女の上半身を軽くぶつけさせ、反跳力によってそれが離れるよりも先に、左右の腕で、彼女の身体を、がばぅあぁぁ〜っ、と覆いました。
つまり、力学的な解説をするなら、カンニャの背中の方向には慣性の法則による後退力が生じて、一方、彼女の顔や胸の方向には、抱え込みによる前進力が、さらに大きな力で、発生したことになります。
すると、両方の力が順次、作用したため、彼女の身体の中心部に、強い刺激が加わったことが考えられます。
出口を失った大量のエネルギーが、カンニャの身体の中で、瞬時に、ジグザグに、でたらめ方向に、行き交ったのです。
そのためでありましょう、カンニャは、(ほんの、ほんの一瞬だけど)、このままこうしていたい、と思ってしまったのでした。
ところが、ジンジャーナ博士は、間が悪いんだかなんなんだか判りませんけれど、彼女の両腕(二の腕のあたり)を外側から押さえ込んで、その瞳をじっと見据えたのでした。
「先を急ごう。」
カンニャは、垂れ目を、歪んだような半開きの形にし、瞬きを断続的に繰り返しながら、への字口の唇💋を、コミカルに、ぴくぴくさせたのでした。
ま、基本ですよね(笑)。
カンニャは、ななな何それ、と思って、それを顔芸で表現したというわけですね。
ジンジャーナ博士が、もっとムフフなことを考えているとも知らずに••••••••。
さて、それでですね、とりあえず、二人は、森の更なる奥地へ向かって、歩き始めました。
薄暗い樹々の、黒や茶色やグレーをした、幹のシルエットが、無数に、見渡す限り、連なっています。
鶯たちが、口々に、導入的なさえずりから入り、音を溜めるかのように、一旦、間を作っていきます。
ホォ〜•••••
そして、締めに、それほど空白を引っ張らずに、“決め”の、大きな声を発します。
ホケキョ!
カンニャが、鳴き声に合わせて、右拳を腰に宛てがい左手で指差しチェックのポ-ズを作りました。
ジンジャーナ博士が、それを見て、恥ずかしそうに、俯きます。
カンニャは、博士の顔を見ながら、何も言いませんでした。ただニヤニヤしています。
博士には、カンニャのその態度が、さらに追い込みをかける効果があるようでした。テンションが少しおかしかったからです。
「タイミング、完璧だったぞ!」
鶯が、畳み掛けてきます。
ホケキョキョキョ!
カンニャは、当然のごとく、左手の人差し指を使って、「キョキョキョ」の部分に拍子を合わせ、小さく3回、スイングしました。
頰を赤らめつつ、ジンジャーナ博士は、もう、どうしていいか解らず、あべこべに、左手の人差し指で、小さく3回スイングしたのでした。
視線の定まらない、焦ったような笑顔で。
鶯が、まるで快楽犯みたいに、鳴き声を発してきます。
ホケキョ、ケキョ!
ホォ〜•••
ホケキョ!
カンニャと博士は、二人揃って、右拳を腰に宛てがい左手で指差しポ-ズを作って2回スイングし、その後さらに、左右の手をチェンジしたうえで、指差しポ-ズで2回スイングしました。
博士も、まんざらでもなさそうやん、っていうね(笑)。
つづく
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続きは、また今度。
記事を未完のままアップする暴挙(笑)。